チベット民族蜂起から67年にあたり チベット問題の根本的解決と人権弾圧の即時停止を求める

Students for a Free Tibet Japan
代表 Tsering Dorjee
2026年3月8日

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 1959年3月10日は、チベットの首都ラサで数万人の一般市民が立ち上がり、中国共産党による祖国への不法な侵略と占領に対して蜂起した日である。人民解放軍の砲撃で多数の市民が殺害され、ダライ・ラマ14世が亡命を余儀なくされてから67年を迎えるにあたり、私たちは、犠牲となった多くの命に追悼と敬意を表し、自由と正義の闘いを続けるチベットの人々と心を一つにし、中国共産党に対し、人権弾圧の即時停止を強く求める。
中国共産党によるチベット統治は、すべてが誤りと失敗である。武力と抑圧による服従は、チベット人の心をつかむことはなく、ダライ・ラマ14世の影響力は消えることはなく、チベット人がチベット仏教を捨てることもなかった。チベット人は中国共産党の支配を拒否し、非暴力の抵抗を続けている。

 対話による問題解決を訴え続けたダライ・ラマ14世は90歳を迎えた。中国共産党はその死を待ち望み、化身認定に不当な介入を行う「活仏転生管理弁法」(2007年施行)などによりチベット仏教の重要な伝統を破壊し、ほしいままに管理しようと画策している。ダライ・ラマ14世は2025年7月、次世代の化身者の探索と認定はこれまでの伝統に従った方法でのみ実施され、他のいかなる勢力にも干渉されないことを明言した。私たちは、中国共産党によるチベット仏教へのあらゆる介入を強く非難し、決して許さない。

 2025年4月、チベットのアムド地域ゴロクのロンゴン寺院(Lung-ngon Monastery/龙恩图丹曲库林)は、高僧フンカル・ドルジェ・リンポチェ(Tulku Hungkar Dorje)がベトナムで死去したと公表した。フンカル・ドルジェ・リンポチェは職業訓練学校の運営や困窮者支援など地域の教育と福祉に尽力し、広く尊敬を集めていた。遅くとも2024年11月から消息不明となり、安否が心配されていたところ、ベトナム当局による身柄拘束の情報が25年3月末に伝わり、釈放と保護を求める呼びかけが国際的に広がる直前の不審死だった。私たちは、フンカル・ドルジェ・リンポチェが亡命を試み消息不明となった背景にある中国共産党の宗教弾圧、及び、国境を越えて命が脅かされる人権弾圧に対して強く抗議し、決して許容しない。
 アメリカ国務省は2025年8月に公表した2024年版の人権報告書(Country Reports on Human Rights Practices)で、チベットにおいて深刻な人権侵害が引き続き発生していることを明記した。幼児が家族から引き離され、寄宿学校で言語や思想教育が強制され、母語や固有の文化を身につける環境が奪われている状況が指摘されている。一方、2025年12月にはアムドのゴロク地域のミンタンドルジェデン民族職業技能学校(Minthang Ethnic Vocational School/门堂多杰旦民族职业技能学校)が強制的に閉鎖され、設立者で校長も務めるドルジェデン・リンポチェ(Chogtrul Dorje Tenzin)が消息を絶った。当局に身柄拘束されたとみられている。私たちは、チベット人の民族文化を抹消しようとする中国共産党の植民地主義的な寄宿学校教育を強く非難し、チベット人が自ら運営する学校の閉鎖に抗議し、チベット人がチベット人として教育を受ける権利を保障するよう求める。

 東チベットのセルシュで2025年11月、チベット人住民が地域ぐるみで違法な金鉱採掘に抗議し、地元行政機関にやめさせるよう申し入れたところ、中国共産党は逆に、80人以上を身柄拘束した。チベット人権民主センターによると、拘束された人々は取り調べ中、肋骨骨折、腎臓損傷、全身の殴打などの身体的虐待や尊厳を傷つける扱いを受け、部外者との接触や今後の抗議活動参加を禁じる誓約書への署名を強要された。東チベットでは近年、鉱山開発やダム建設を巡り、自然環境破壊に抗議するチベット人住民の大量拘束が相次いでいる。私たちは、脆弱なバランスで保たれているチベット高原の自然破壊に強い懸念を表すると同時に、自然保護の意思を表明したチベット人を暴力で弾圧する中国共産党の誤りを強く非難する。

 チベットでは2008年、ウツァン、カム、アムドの全域であらゆる階層のチベット人が中国共産党に抵抗して立ち上がった。参加者のほとんどは中国共産党がチベットを支配して以降に生まれた世代であり、その非暴力抵抗の強さと広がりは、中国共産党の統治がチベット人に全く受け入れられていないことを明らかにした。更に、武装警察の武力による徹底的な弾圧が行われた2009年2月以降、150人以上のチベット人がチベットの自由とダライ・ラマ14世の帰還を訴えて焼身による抗議を行っており、130人以上が死亡している。私たちは、非暴力による意思表示を武力で弾圧し言論の自由を封じ、命を懸けた究極的な手段にまで追い詰める中国共産党政府の非人道性と誤ったチベット統治を強く指弾する。

 中国共産党の監視と苛烈な弾圧、逮捕や拷問などの恐怖による支配、失踪や拘束中の虐待死などにもかかわらず、中国共産党はチベット人の抵抗を押し潰すことに失敗し続けている。チベットのチベット人は、文化的な活動、民族のアイデンティティの主張、不服従などを通じて、中国共産党支配に対し非暴力で立ち向かい、拒否の意思を示し続けている。
 チベット民族蜂起記念日の3月10日にあたり、私たちはチベットのチベット人が持ち続ける未来への希望と不屈の闘志、勇敢な抵抗を称え、中国共産党に対し人権弾圧の即時停止を求めて行動する。

以上