チベットで抗議を行った青少年の拘束に抗議します

2010年3月26日

 2008年3月14日、ラサでの抗議をきっかけにチベット全土に広がった騒乱から2年が経ちます。チベットでは治安部隊の投入などにより、具体的な抗議行動が押さえつけられていますが、各地からの報道によれば依然として中国政府に対する抗議の炎がくすぶっているようです。その背景には、チベット人への人権抑圧が依然として続いていることが想像されます。
 とりわけ、チベットの将来を担う若い世代が抗議の声を上げ、それに対する取り締まりと拘束が行われていることを私たちは憂慮します。

 ラジオ・フリー・アジアによれば、今年3月14日、午前11時〜12時頃、甘粛省マチュ県蔵族中学校の生徒約30人が市の中心に近い通りで中国政府に対する抗議を行ったといいます。これに500〜600人のチベット人住民が加わり、自由がないことに抗議し、チベットの独立を訴えました。数十分後、チベット人たちは保安部隊に包囲され、少なくとも40人が逮捕されました。

 また同じ14日、青海省海東地区化隆県では、ディツァ僧院で「チベットに自由を」と「ダライ・ラマ法王万歳」と書かれたポスターが貼られた直後、19歳と20歳の若い僧侶が検挙されたそうです。

 ロイターによれば、17日には甘粛省甘南チベット自治州合作市で、少なくとも20人の高校生が当局に拘束されました。高校生らは抗議を行おうとしていたそうです。

 自由を求める声は、人権を抑圧する当局への当然の批判です。それを封じるために市民、とりわけ未成年者や若者を拘束することは、人道的見地からも許されざることです。

 Students for a Free Tibet Japanは、いまも続くチベットでの人権抑圧の状況を憂慮し、以下の事項について、速やかな実現を中国政府に求めます。

  1. 現在チベットで起きている非暴力的な抗議活動の参加者に、暴力や武力弾圧をやめ、言論の自由と心身の安全を保障すること。
  2. 平和的な抗議活動を行っただけで拘束されたチベット人を、ただちに釈放すること。
  3. 拘束中においても彼らに対していかなる肉体的、精神的暴力も加えられないこと。
  4. 青少年の健全育成の精神から、青少年の拘束を行わないことを国際社会に対して約束すること。
  5. チベット問題の平和的解決に向けて、国際社会の批判に応え、具体的かつ積極的に取り組むこと。