人権宣言71年にあたり中国政府に弾圧の即刻停止を求めます

2019年12月7日

Students for a Free Tibet Japan (SFT Japan)
代表 Tsering Dorjee (ツェリン・ドルジェ)


世界人権宣言71年にあたり中国共産党政府に対し基本的人権の尊重を訴え人権弾圧の即刻停止を求めます

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 国連で、世界平和の基礎となる世界のすべての人とすべての国とが達成すべき共通の基準として「世界人権宣言」が採択された日から71年、ダライ・ラマ法王14世のノーベル平和賞授与から30年という喜ばしい日に、私たちは、中国共産党政府があらゆる場所で続ける人権弾圧を即座に停止するよう、強い怒りをもって表明します。

 10日ほど前の11月26日、アムド地方ガワ(Ngaba、四川省阿坝藏族羌族自治州阿坝县麦尔玛乡)で、ヨンテンという24歳のチベット人青年が自らに火を放ち、亡くなりました。香港では6月から民主主義の保障を求める市民の抗議が続き、11月には警察が至近距離から若者に発砲しました。抗議活動参加者の転落死や不審な自殺も相次いでいます。11月末には、ウイグル自治区で1週間に1万5000人のウイグル人が収容施設に送られ、非人道的な処遇のもとで「思想教育」を受けているという2017年の内部文書が明るみに出ました。
 広東省茂名市及び化州市では11月下旬、斎場建設に反対する住民に武装警察が発砲する映像がSNSで広まりました。広東省広州市では12月1日、崩落した道路の穴に落ちた車両2台の救出活動が行われずセメントが注入されたとする映像が広まりました。

 これらの悲劇は、ばらばらに起きていることでしょうか? いいえ、はっきり申し上げます。すべての根源はただ1点、中国共産党政府の誤った政策にあります。

 米国議会で「香港人権法案」と「ウイグル人権法案」が可決されたことに、中国の華春瑩報道官は「米国はアメリカ先住民を虐殺し、迫害した」と述べ、国際社会の失笑を招きました。
 改めて申し上げます。世界人権宣言は、第二次大戦中の特定の民族迫害や大量虐殺に至るまでに人類が犯したすべての人道上の過ち、人種差別政策への反省を踏まえ、起草されたのです。すなわち、国際社会は人権の尊重を最も重要な事項と捉えているのであり、米国議会の行動はアメリカ先住民の苦難を繰り返させないためのものなのです。中国報道官の発言は、かつて米国が犯したと同じ非人道行為を行っていると自ら認めたに等しいのです。

 中国政府と共産党軍がどれだけ暴力と恫喝で抑圧しようと、自由と尊厳を求める人々の心を屈服させることはできません。ダライ・ラマ法王は、30年前のノーベル平和賞受賞式で「私たちの武器である真実、勇気、決意の力で、チベットは自由になるだろうという信念を確固たるものにしている」とスピーチしました。その通り、真実と、勇気と、決意の力はチベットにあります。

 世界人権デーにあたり、私たちは強く声を上げ、中国政府に対し、人権を踏みにじるありとあらゆる間違った政策を直ちに停止するよう求めます。チベットで、ウイグルで、香港で、広東で、あらゆる場所で続けられる中国政府の人権蹂躙に対して、強く非難し、広く注視を呼び掛けます。