在日チベット人コミュニティー主催 デモ行進
3月のラサ騒乱以降、日本でも関心が高まったチベット問題ですが、政府間の対話再開、チベット自治区への外国人観光客受け入れ再開などの報道により、チベット情勢は落ち着いてきたかのように思われてしまいがちです。しかし実際は、人権状況の改善はおろか「愛国再教育キャンペーン」や武装警察による厳戒体制が続き、抵抗すれば即座に発砲される事件なども多発しています。
公約に反して、チベットの人権状況はますます悪化しています。このような状況の下、まもなく北京では『平和の祭典』オリンピックが、華やかに始まります。この祭典の陰で、多くの人々の命と自由が犠牲になっていることを知ってほしい!という思いを表す為、私たち在日チベット人は立ち上がりました。
在日チベット人コミュニティーが主催する、初めてのデモ行進です。
日程 : 2008年8月9日(土)
集合場所 : 六本木・三河台公園(東京都港区六本木4-2-27)東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅より徒歩3分
コース : 三河台公園→六本木交差点→六本木ヒルズ前→西麻布交差点→笄公園(約1.4キロ)(ルート地図(キョリ測))
多数のご参加、ありがとうございました!
皆様のご協力で無事終了しました。ありがとうございました。
引き続き、8月24日(日)にサイレントマーチを行う予定です。詳細はこちら。
写真提供:ねこみみさん
タルチョ募金へのご協力のお礼
チュバを来た女性スタッフが呼びかけ、タルチョのついた募金箱に ¥144,456 を皆様からお寄せいただきました。全額をチベット青年会議(TYC)とStudents for a Free Tibet India(SFTインド)に等分して送らせていただき、世界中で行われているチベット人の抗議行動の活動資金(活動により拘束された方への保釈金、弁護料など)として使わせていただきます。ありがとうございました。
今回、在日チベット人コミュニティのタルチョ募金のほか、ホワイトタラという団体が主催者の承認を得ないまま募金活動を行い、腕章をつけたスタッフがそれを手伝っていたことがわかりました。
参加者からご指摘をいただき、主催者からホワイトタラに確認したところ、こちらも、インドに送られチベット人の保釈金等に使われること、インドへ送金する確かなルートがあることを回答いただきました。
スタッフであるものが主催者とは別の団体の募金を呼びかけ、参加者の皆様に混乱と不安を招きましたことに、主催者一同お詫び申し上げます。
小原カルデン(在日チベット人コミュニティ代表)挨拶
本日は本当に暑い天気の中、集まっていただき、ありがとうございます。
私はもう10年以上も日本に住んでいるわけですが、チベットのためにこんなにたくさんの方々が集まってくださる日が来るとは正直想像もしていませんでした。しかし今年になってチベット問題が話題になってから、こんなにたくさんのサポーターがいらっしゃるということを知って、非常に嬉しいと感じるとともに、われわれチベット人ももっともっと頑張っていかなけれならないということを感じました。それで今回の在日チベット人の主催ということでデモをすることになりました。
今回のデモは北京オリンピックに反対して行うものではありません。北京オリンピックは我々も非常に尊敬しています。それはいままで4年間、選手たちが日々努力をしてきて、この大きな舞台に立とうと頑張ってきたからです。ですから、皆様そこを誤解しないでいただきたいと思います。
今回のデモの目的は次の3つのことを世界にアピールすることです。ひとつ目はチベットの問題を忘れないでほしいということです。オリンピックが始まってもチベットの問題はまだ解決していないということを、世界のみなさんに忘れないでいただきたいのです。
2つ目は中国政府に、ダライ・ラマ法王の特使との対話に正面から取り組んでもらいたいということです。特使と中国政府との対話は、2002年から2008年まで7回行われたにも関わらず、結果が出ないものに終わっています。これからはチベットと中国とだけでなく、国際連合を交えるなどして実りある対話を実現してほしいと思います。
そして3つ目は、中国政府にIOCとの約束を守ってほしいということです。中国は北京五輪の開催が決まったとき、より人権に注意を払うとIOCと約束をしていますが、チベットの人権問題、または内モンゴルの人権問題、またはウイグル、中国の中でもたくさんある人権問題はその後もまだ解決していません。IOCは約束を守っていない中国に対して厳しく指導する、あるいは制裁を行う必要があると思います。
本来、チベットは独立国家です。私たちチベット人の国です。日本がどこかの国の一部ではないように、誰かの支配下に入るべきものではないのです。そしてサポーターの皆様にはいままで非常に感謝していますが、これからもぜひとも応援をよろしくお願いします。
中国という巨大な国家を相手にする場合は、政治家だけではなかなか解決しません。この問題は世界の人々の応援こそが、問題の解決への道筋を作ると私たちは信じています。ですから皆様、チベットへの思いを諦めずに、ご家族や自分の友達にもぜひ伝えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
西蔵ツェワン先生の挨拶
昨夜、北京五輪開会式を見て直感的に思ったのは、開会式は非常に華やかでしたが、あの影でどれだけの人間が犠牲になっているのだろうということでした。それは私たちチベット人、チベット民族だけでなく、内モンゴル、トルキスタン、さらに中国の漢民族でさえ、その犠牲になっているというようなことがいま起こっている。
さきほども話があったんですが、私たちは北京オリンピックには反対はしておりません。私たちはそれを通してどれだけ裏に問題があるかということを多くの人たちに知っていただきたい。それが私たちの長年の運動です。
ことチベットに関しては60年前からいわれのない抑圧政策を受け、120万人の犠牲者が出ていると言われております。さらに今年の3月の暴動に際して、1000人以上の人たちがいまだに行方不明になっている。そういう状況の中での昨夜の華やかな北京オリンピックが開かれている。あの意味は何だったのかということを皆様にぜひ知っていただきたいと思っております。
私たちは中国人に対して憎しみは持っておりません。中国指導層の政策に対して私たちは異論を唱えております。その事情はぜひ理解をしていただけたらと思います。
きょう、この中にも中国の方がいらっしゃるでしょう。あるいは中国大使館の方も聞いているでしょう。ぜひこの現状を、ご自分たちでじっくり考えて、果たして自分たちの指導層はこれでいいのかともう一度考えていただきたいというのが私たちの主張であります。
これから平和行進をやるわけなんですが、中国の方たちのいろんな挑発的なことがあるかもしれない。きょう、私たちはあくまでも平和行進ですので、毅然とした態度で臨んでいただきたい。私たちチベット人の運動の主体は非暴力です。これはおそらくずっと続くことだと思っておりますし、それによって正義を勝ち取ると深く信じておりますので、どうぞよろしくお願いします。
パルデン・ギャツォ師からのメッセージ
昨夜、北京オリンピック開会式が行われました。オリンピックは、人権を守り、平和で、他国との調和を心がける国で行われるべきイベントです。今日こうして、真実、平和、そして人権のために戦う日本の皆さんが、オリンピックを開催する国が、人権を侵害し、拷問や虐殺を繰り返していることに疑問を持ち、抗議するために集まられたはずです。
オリンピックは人間の精神を祝うためのイベントです。しかしながら、北京オリンピックは人権の抑制の場となってしまいました。ラサで行われた聖火リレーでは、抗議活動を怖れた政府により厳重な警備隊が敷かれ、一般市民が沿道でその様子を見ることはできませんでした。見ることができたのは、偽装のセレモニーを行うために選ばれた人のみでした。これは国際的なセレモニーというよりは、子供騙しだと言えましょう。私達は特にエベレストに聖火が持ち込まれた事を非常に非難しました。
張慶黎チベット自治区共産党書記は、ラサのポタラ宮前での聖火リレー式典にてオリンピックを政治化するべきでないという中央政府の主張と矛盾して、オリンピックを政治化し、こう発言しました。「チベットの空は永遠に変わらない。5つ星のついた赤い旗が永遠にチベットの空にはためくのだ!」この発言は、チベットはかつて独立した国家であることをあきらかに認めていることになります。中国が侵略してくるまでチベットは独立した国家でした。ダライ・ラマ法王は中道政策を打ち立て、チベットは中国という国の中で存在しよう、と大きな譲歩をしています。それがチベット、中国の両方に利益をもたらすとお考えになるからです。しかし、その歩み寄りは、貪欲な中国人を満足させるには事たりませんでした。中国人が欲するのは、チベット人ではなく、チベットの土地です。チベットを植民地化し、チベット文化を抹消し、チベット人を虐殺する。それが中国が最終的に意図することなのです。これが本当の中国の顔なのです。
第二次世界大戦中、アメリカは広島と長崎に原爆を投下しました。中立主義を守っていたチベット政府は、残酷で恐ろしい原爆の犠牲者の方のために祈るよう、チベット中の僧院に要請しました。私はこんな風に思うのです。日本で、今、こうしてに皆さんがチベットを支援して下さるのは、こういった過去の繋がり、ご縁があったからではないかと。チベットを支援して下さり、そして世界の平和のために戦う日本の皆さんに心から感謝いたします。皆さまが永遠に支援してくだることを祈ります。パルデン・ギャツオ
スケジュール
16:00 | 集合 |
16:30 | 集会開始 |
17:00 | デモスタート(三河台公園→笄公園) |
デモ終了後、各自移動(笄公園→三河台公園) | |
19:00 | キャンドルライト(三河台公園) |
20:00 | 解散 |
注意事項
- このデモ行進はオリンピックの開催そのものに反対するものではありません。
- チベット、又は同じ状況下にある東トルキスタン、内モンゴル、中国民主化問題以外のアピールはご遠慮下さい。(当日のコールはこちらのファイルをご覧ください)
- 差別用語の使用や誹謗中傷行為を固く禁じます
- あくまでも平和的で合法的な抗議活動です。必ずスタッフの指示に従って下さい。
- キャンドルライト用にご自身のキャンドルをお持ち寄り・お持ち帰り下さい。キャンドルライトはデモ出発地点の三河台公園で行います。
- 熱中症対策など、参加者各自で体調管理に充分ご注意下さい。(熱中症の予防と対策についてはこちらのファイルをご覧ください)
お問合せ
Tibetan Community in Japan pj.evil|jct#pj.evil_ta_jct

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当日参加される方向けの資料です。カッコ内はネットプリントの予約番号。セブンイレブンなどでもプリントできます。