何のために歩くのか

WALK for a FREE TIBETを始めるわけ

中国の侵略に対してラサの人々が立ち上がってから49年経った今年3月10日、インドに亡命したチベット人たちが作った5団体のメンバーが、インド北部のダラムサラからラサを目指して行進を始めた。出発したときは100人だったのがデリーに着くときには2倍になり、ウッタラカンド州ピトラガに着いた時には317人になっていた。当局が解散を命じたり、病人や負傷者が出たりして、最終的には50人が残った。90日をかけ、1300キロ以上を歩き、中国の国境警備隊が待機するチベットの入口まであと10キロというところで、インド当局に全員が拘束されてしまい、6月29日、行進は終了を余儀なくされた。ヒマラヤの山々を望み、49年間の歴史に思いを馳せて、参加したSFT Indiaの事務局長、テンジン・チョーインはこう語った。「中国人たちからの迫害を逃れて、歩き続けたチベットの兄弟たちとまさに同じ道を歩いています。我々がチベットに戻ろうとしているのは、そこから素晴らしいからではなく、私たちの手によって中国による占領を終わらせるのに力を貸す必要があるからなのです」。

北京五輪開催を目前に控え、世界中のチベットの兄弟たちは、チベットに住む姉妹が人間らしく平和に暮らせることを願って立ち上がっている。五輪が開催されようとしている中国で、人権の尊重、信教の自由、教育の自由といったどんな国でも当たり前のことが踏みにじられているからだ。
チベットの人々は、敬虔な仏教徒として、聖なる都、ラサへ向かって、ときには歩き、ときには五体投地を繰り返して、どんな遠くからでも旅をしながら巡礼をすることで知られている。
中国政府の迫害に抗議して今年ラサへ向かって歩いた行進者も、その道程を巡礼の旅になぞらえたことだろう。
アジアの東端に位置する日本からチベットへ向け歩いて行くにはとても時間が足りないが、この夏の1日を、同じようにみんなで歩くことで世界中のチベットの兄弟のひとりとして、チベットに住む姉妹たちに連帯を示そう。五輪を楽しみにしている中国や世界中の人たちに、チベットで起きていることを知ってもらおう。
さあ歩こう。チベットの自由のために。

WALK for a FREE TIBET、次回は8月9日(土)名古屋と東京で行われます