第19回中国共産党大会についてチベット問題解決への要請

外務大臣 河野太郎 様

今月18日から北京で始まる第19回中国共産党大会は、党内での習近平主席の権力を強化し、共産党の支配下にある10億以上の人々への圧政がこの25年間でもっとも強まる見込みです。

習近平のリーダーシップは、いまも続く中国のチベット支配だけでなく多くの問題について「沈黙させる」ことに特徴があります。人権問題専門家は中国全体そしてチベットの状況が2012年以降急速に悪化していると指摘しており、中国の良識を代表しノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏、そしてチベットの仏教指導者テンジン・デレク・リンポチェなどの著名な人権擁護者の獄中死がそれを浮き彫りにしています。

政策面では、習近平が2011年7月にラサで語った言葉にすべて表れています。「ダライ一派が率いる分離主義者には他の少数民族も影響を受けており、我々はそうした分離主義者と戦う必要がある。我々は国家とチベット自治区の安定と統一を破壊するすべての計画を完全に叩き潰す。[1]」これらの主張は「分離主義」に対する警告として2015年の第回西蔵工作会議でも繰り返されました。[2]

別添のレポートが示すように、習近平の政策はチベット人の日々の生活を劇的に悪化させ、さらなる抗議を引き起こしています。抗議を行うとその家族や地域コミュニティ全体が連帯責任を負わされ、罰せられる「共同罰」制度、世界的に有名な仏教寺院「ラルンガル」への破壊的侵略、そして何千人もの警官と軍人をチベット人居住エリアに配置する「安定維持」キャンペーンなど[3]。ヒューマン・ライツ・ウォッチが「挑発的」と非難するこれらチベットでの政策が、チベット人の抗議活動を引き起こし、それを政府が社会的不安として厳しく取り締まるという悪循環が将来にわたって停まる見込みがありません。

習近平政権の下で中国は、行政組織や教育機関、国際機関を脅し、賄賂を与えて沈黙させる「飴と鞭」戦略をとっています。国連人権高等弁務官事務所への脅迫に始まり、「一路一帯」構想における巨額のインフラ投資の約束で他国を懐柔し、「孔子学院」を通して世界中の大学内の活動の監視を行っています。この戦略により、各国の指導者達はダライ・ラマとの公式会談など中国にとっての「重大で憂慮すべき反則」について外交的に「深く沈黙」することを余儀なくされています。

沈黙を破るべき時がきました。習近平が共産党政権のトップに就いてからの5年間、彼のチベット政策は失敗しています。
習近平に次の5年間、指導者として中国が託されるこのタイミングで、チベットに関する支援と特に近年の中国の人権状況に関する懸念の表明を、可能な限り強い表現を用いて行うことを求めます。日本国政府に同盟諸国と共に、チベット問題を緊急に解決することを求めるよう中国に働きかけることを要請します。

スチューデント・フォー・フリー・チベット・ジャパン代表
ツェリン・ドルジェ

2017年10月16日

1. http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-14205998
2. According to the International Campaign for Tibet, the Sixth Tibet Work Forum emphasized the importance of ‘stability’, political language for the elimination of dissent and enforcement of compliance to Chinese Communist Party policies, specifically blamed the Dalai Lama for ‘anti-separatist’ activities, and underlined the importance of the Tibet issue to the Beijing leadership. See
https://www.savetibet.org/tough-warnings-on-anti-separatism-from-party-leaders-at-political-anniversary-in-tibet
3. https://www.hrw.org/news/2016/05/22/china-repression-expands-under-stability-maintenance-tibetan-areas